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人間の身体の無限の造形力
ニューヨーク・シティ・バレエ公演
(日経新聞 2004/10/4)
二十世紀を代表する振付家ジョージ・バランシンが創設したバレエ団の四年ぶりの来日。
バレエはフランスの宮廷で基礎ができたため、いわゆる古典バレエには貴族的な仕草とヨーロッパ的な雰囲気が残っている。バランシンはそれを徹底的に削ぎ落とした。傑作の誉れ高い「アゴン」(ストラヴィンスキー曲)では、女性は黒いレオタードに白タイツ。お姫様的なところは微塵もなく、思い切り脚を前方に蹴り上げる。白いTシャツに黒タイツの男性も、王子様には程遠く、むしろ格闘技の選手みたいだ。二人、三人、四人、さまざまな組み合わせで、身体を使った多種多様な幾何学模様が描かれる。
もはやストーリーはない。派手な衣裳も舞台装置も特別な照明もない。舞台上にあるのはダンサーたちの身体だけ。彼らはいっさい感情を表現せず、ひたすら音楽を身体で表現する。
同じくストラヴィンスキーの曲による「ヴァイオリン・コンチェルト」も同様。「目で見る音楽、耳で聴く舞踊」と言われるゆえん。人間の身体の、無限ともいえる造形力に圧倒される。
さらにバランシンは、その中性化・抽象化されたバレエの上に「アメリカらしさ」をのせ、アメリカのバレエを生み出した。
ガーシュイン・メドレーによる「フー・ケアーズ?」は、ほとんどブロードウェイ・ミュージカルの世界。筋はないのに、男女のさまざまな物語が見えてくる。
「スターズ&ストライプス」は、「ディズニーランドのパレードをバレエでやってみました」みたいな作品。バレエがすっかりアメリカ的なものになりきっている。古典と同じテクニックがまったく別物に見えて面白い。
四年前と顔ぶれも演目も似ていて、しかも群舞の水準が低下しているのが気になった。9月22−26日、オーチャードホール
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