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現代性を加え繊細な演技
モンテカルロ・バレエ「La Belle(美女)」
(日経新聞 2004/8/2)
クラシック・バレエの最高傑作とされる「眠れる森の美女」を、注目の振付家ジャン=クリストフ・マイヨーが大胆にアレンジし、新たな傑作を作り上げた。
人口に膾炙している「眠れる森の美女」(「いばら姫」)は、百年の眠りについていた姫が王子の接吻で目覚めて終わるが、ペローの昔話では、それは前半の終わりにすぎない。王子の母は人食い鬼で、王子と姫の間にできた子どもたちを食べようとするのだ。マイヨーはこの後半もストーリーに含め(この部分にはチャイコフスキーの「ロミオとジュリエット」を用いている)、不妊の悩みや嫁姑の確執を盛り込み、現代作品に仕立て上げた。
ふたつの国がある。明るい国では王夫妻にやっと娘が生まれる。いっぽうの暗い国では、後妻(魔女)が王を操り、王子は苦悩している。そこへ現代の青年が迷い込む。
オーロラ姫が登場する場面がじつにユニーク。巨大なシャボン玉のような透明な球に入った姫がゆっくりと斜面をおりてくる。求婚者たちが跳びかかり、球を破って姫を引きずり出し、まるで集団レイプのように姫に襲いかかる。ショックのあまり、姫は長い眠りについてしまう。やがて彼女はみずから目を覚まし、王子を見て、恋に落ちる。この後の二人のパ・ド・ドゥがまたすばらしい。唇を重ねたまま長々と愛を歌いあげる。
次いで嫁と姑の確執が描かれ、姫の接吻によって魔女は死ぬ。最初は無垢で脆弱だった少女が強い女へと成長していくさまをプリマのコピエテルスが見事に演じた。髪はベリーショートで、セクシーな全身タイツ姿。
彼女だけでなく、すべてのダンサーが、長い手足をフルに使ったダイナミックな踊りを見せると同時に、繊細な演技で観る者を惹きつけた。7月22日、オーチャードホール。
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