コースターのようなギャグ
コンドルズ GET IN THE RING
 (日経新聞 2003/5/26)

 コンドルズは、卓抜した振付家・ダンサーの近藤良平によって七年前に結成されたダンス・カンパニー。メンバーは全員男性で、トレードマークは舞台衣裳の学ランである。熱烈なファンが多く、公演のたびにチケットは即日完売だ。
 ただし彼らをダンス・カンパニーと呼ぶためには、ダンスの概念を大幅に拡大しなければならない。いわゆるダンスは公演のごく一部にすぎず、大半はギャグをいっぱい詰め込んだコントだ。ダンスの部分はかならずしもユニークではないし、うまくもない。
 メンバーの体型もじつにさまざまで、外見的にはいわゆるダンス・カンパニーには見えないが、全員が「体をはっている」という意味では、まぎれもないダンスである。別の言い方をすれば、じつにポストモダンなダンス・カンパニーだ。
 今回は、環太平洋ツアーを終えた彼らの凱旋公演である。会場のTOKYO FMホールは、正方形の舞台を四方から客席が囲んでいるが、タイトルが示すように、その舞台をリングに見立て、あしたのジョーとキン筋肉マンと「エースをねらえ!」の宗方コーチが登場するドタバタ劇を中心に、人形劇や生演奏や映像を挟みながら、まるでジェットコースターのようにノンストップにコントが続く。怪我をしているダンサーさえもがギャグのネタになる。
 全体に「学園祭」的なノリで、ギャグが連発されるたびにファンたちが大笑いするが、空振りに終わるギャグも少なくない。海外の観客はどんなふうに反応するのか、じかに見てみたいなあと思った。
 じつにキレのいい近藤のソロ・ダンスが全体を締め括った。彼のダンスは見応えがあるが、この部分だけが静謐な深みに支配されていて、他の部分との繋がりがよく見えなかった。
 また、公演時間(二時間)が少し長すぎるように感じたのは、ギャグの連発にこちらが疲れてしまったせいだろうか。12日。