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魅力引き出すダンサー
ローラン・プティ グラン・ガラ
(日経新聞 2003/4/17)
パリ・オペラ座のルグリ、ミラノ・スカラ座のムッル、モスクワ・ボリショイ劇場のツィスカリーゼとイルゼ・リエパ、日本の上野水香ら、じつに多彩な顔ぶれによる、ローラン・プティ作品集である。
プティは、間もなく八十歳を迎えようとしている今も、ばりばりの現役として世界を飛び回って活躍している振付家。今年は日本でも彼の作品が上演される機会が多い。
プティは、レビューやショーのダンス・スタイルを取り入れることによって、バレエの幅をひろげたことで知られるが、それだけでなく、プティの作品のユニークさは、個々の動作はどれもバレエの基本的な動作とは微妙に違うにもかかわらず、できあがった作品はバレエ以外の何物でもないという点にある。
作品が古びないという点も驚異的である。一九四九年に初演された『カルメン』が現在も世界中で愛されているのである。
背中の曲がった鐘突男カジモドと、脚線美を誇示するジプシー娘エスメラルダのデュエット(『ノートルダム・ド・パリ』六五年初演)、ゲイのカップルの濃密な踊り(『プルースト』七四年)、魔性の女に囚われて自殺する男と薄幸の許婚者のデュエット(『アルルの女』七四年)のような古い作品から、野心を抱く青年士官と無気味な貴婦人との激しいパ・ド・ドゥ(『スペードの女王』二〇〇一年)にいたるまで、珠玉の名作九つが上演されたが、ダンサーがいずれ劣らず素晴らしく、プティ作品の魅力をフルに引き出していた。
白眉は『カルメンーソロ版』(世界初演)であった。マニュエル・ルグリが『カルメン』の登場人物たちをひとりで踊るという作品だ。プティが半世紀にわたってカルメンという女性に魅了されつづけていることを示す作品だが、同時にルグリが卓抜した表現力をもったダンサーであることを観客にあらためて思い知らせる作品ともなった。11日、赤坂ACTシアター。
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