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あふれるペレンのオーラ
レニングラード国立バレエ/竹取物語
(日経新聞 2003/2/3)
「竹取物語」はわが国最初の物語とされている。もとは大陸から伝来した説話だが、日本の誇りであることには変わらず、宇宙開発時代にもその魅力は少しも褪せない。だってETの話だもの。
外国人によるこの物語のバレエ化というと、石井真木の名曲を用いたイリ・キリアンの傑作『輝夜姫』が思い出されるが、この新春は、レニングラード国立バレエを率いるニコライ・ボヤルチコフが新作『竹取物語』をもってきた。
ちなみに、このバレエ団は十年以上前から毎年決まって(最近は年に二度)来日し、年々レベルを上げてきたカンパニーである。
観る前は、日本文化への無知に基づいたグロテスクな作品でなければいいがと心配していたのだが、それはまったくの杞憂だった。かといって傑作ともいいがたい。良いところと悪いところが半々。
悪いところから書こう。振付家は天上の楽士(五人の女性ソリスト)、月の光(女性群舞)や竹林(男性群舞)を登場させるが、古典バレエのステップを避けようとするあまり、へたな創作ダンスみたいになってしまい、ちょっと見苦しい。
次に良いところ。かぐや姫が五人の求婚者に難題を課すところは、さすがベテラン振付家だけあって、巧みな舞踊表現をあたえられている。かぐや姫のソロと、かぐや姫と帝のデュエットはじつに素晴らしい。膝と足首を曲げて脚を前に高く上げる、あるいは膝を曲げて腰をひねり、首を傾げるといった動作を多用して、古典バレエのステップに巧みにひねりを加え、東洋風な動きを生み出している。ベジャールの『ザ・カブキ』に匹敵する出来映え。
特筆すべきは、かぐや姫を踊ったイリーナ・ペレンの素晴らしさ。いまやこのバレエ団の看板だが、なんとも柔軟な体、難技をさりげなくやってのける技術、全身が発する健全なエロティシズム。彼女のオーラは、この作品の欠点すべてを埋め合わせて余りある。1月26日、オーチャードホール。
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