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伝統舞踊に現代風装い/ロード・オブ・ザ・ダンス
(日経新聞 2000年2月1日)
昨春来日した「リバーダンス」と同じく、伝統的なアイリッシュ・ダンスに現代風の装いをほどこし、歌や演奏を織り交ぜたエンターテインメント。欧米では大変な人気で、三グループが同時に各地で公演しているほどだ。
ごく大ざっぱにいって世界の伝統舞踊は、上半身を使って外界や感情を描写するダンスと、下半身を使う感情表出的なダンスに大別される。日本をはじめ東洋のダンスは前者に、欧米のダンスは後者に属する。ほとんど脚だけで踊るという点できわめて特異なアイリッシュ・ダンスは後者の極端な形だから、日本からは最も縁遠いものともいえるが、チケットは完売だと聞くし、超満員の会場の熱気から察するに、すでに日本でも相当な人気を博しているようだ。
ほとんどストーリーはなく、最初から最後までひたすらポップ化された「ケルト」のムードに包まれている(映画「タイタニック」の主題歌冒頭の、あの尺八みたいな笛の音が思い出される)。ただし伝統舞踊とは違って、女性ダンサーは超ミニに黒タイツというセクシーな衣装。男性はみんなマッチョ系。ハイテクな装置、どぎつい照明、舞台の両脇には巨大テレビスクリーン。伝統楽器と電子楽器を混合した大音響の音楽に合わせて踊る。
柔らかい底の靴をはいて踊るダンスと、かたい靴をはいたタップ・ダンスとがあり、前者ではダンサーたちは脚を前方に蹴り上げ、あるいは後方に振り上げ、あたかもカモシカのように跳ね回るが、やはり見物はタップ・ダンス。数十人が一糸乱れず、一分間に何百回というタップを踏むと、靴音がまるで機関銃のように観る者の体を直撃する。眼で観るよりむしろ体で感じるダンスといえよう。
「リバーダンス」とよく似ているが、それもそのはず、「リバーダンス」を振り付け、みずから主演した天才ダンサー、マイケル・フラットレーがその一座と訣別して新たに始めたのがこのショーなのである。前宣伝にもかかわらず、そのフラットレーが来日していないのは残念。26日、東京国際フォーラム。
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