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エイフマンは語る/聞き手 鈴木 晶
(エイフマン・バレエ来日公演プログラム 1998/11)
---『赤いジゼル』では舞台の中に「舞台中舞台」が作られていますね。
エイフマン 「劇場についてのバレエ」を作りたいとずっと思っていたのですが、その夢がこの作品で実現しました。
---「劇場についてのバレエ」というものを、もう少し説明していただけますか。
エイフマン 劇場というのはまず建物です。でもそれだけではありません。劇場には大勢の人間がかかわっていて、作品が上演されたときに初めて生命を得ます。それをバレエにしたかったのです。この作品では舞台の表も裏も見せるわけです。
---7月にこの作品を実際にマリインスキー劇場で上演されましたね。ご感想は?
エイフマン 舞台の奥には舞台装置のマリインスキー劇場があり、振り向くと本物のマリインスキー劇場の客席。まるで合わせ鏡のようです。しかも、パヴロワやニジンスキーやスペシーフツェワが踊ったその舞台ですからね。ものすごく興奮しましたよ。
---マリインスキー劇場はクラシック・バレエの殿堂ですものね。
エイフマン そう、この作品はプティパへのオマージュでもあるのです。
---それはどういうことですか。
エイフマン 私はプティパを尊敬し、自分をプティパの後継者だと思っています。彼の作品には「劇場」があります。私はそれを継承しているつもりです。
---『赤いジゼル』のクライマックスは、最後の方の『ジゼル』のシーンですね。あれは『ジゼル』の新演出といってもよいものだと思いますが、エイフマン版『ジゼル』を作ろうというお気持ちはないのですか。
エイフマン ありません。なぜなら『ジゼル』はロマンティック・バレエの傑作として完成されていますから。いじくり回すべきではありません。
---でもエイフマンさんの作品のなかには『ドン・キホーテ』改訂版もあるじゃないですか。
エイフマン それを言われると思いました。『ドン・キホーテ』は完成されているとは言えません。『ライモンダ』もそうです。ああいう作品は改訂者を待っています。でも正直なところ、当分、改訂の仕事はしたくありません。扱いたいテーマ、使いたい音楽はいくらでもありますから。
---日本のバレエ・ファンに何かメッセージを。
エイフマン 日本では私の作品に「前衛的」とか「実験的」というレッテルが貼られていると聞きましたけど、私自身は大衆娯楽作品を作っているつもりです。ですから、そういうものとして楽しんでもらいたいですね。
---この次の作品はどんな?
エイフマン 皇帝パーヴェルを主人公にした『ロシアのハムレット』という作品を作っています。
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