著書9 バレエの魔力

バレエの魔力

講談社現代新書

2000年5月20日発行

    

執筆を約束してから完成まで6年かかった。
実際に執筆にかかったのは10日間であるが。

 

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抜粋(「はじめに」より)

目次

短評(毎日新聞)

短評(日経新聞)

短評(朝日新聞)


「はじめに」より

 バレエの魔力の源泉は、人間の身体のもつ、ほとんど無限とも思えるほどの表現力である。踊る身体は、素晴らしい造形美を現出させるだけでなく、このうえなく人間臭いドラマを演じることも、また、深遠な哲学的思想を表現することもできる。身体表現は時として、文学をも、音楽をも、絵画をも、凌駕する。踊り手が人間から離れ、限りなく神に近づいて、見る者に宗教体験に近いものを与えてくれることもある。踊る身体は目を楽しませるだけでなく、魂を揺さぶる力をもっているのだ。
 だがもちろんそれは、バレエ以外のダンスにもいえることだ。では、他のダンスにはなくてバレエだけにそなわっている魔力とは何なのか。それをこれから語ろうというのである。


    

目次

 はじめに/バレエの魔力とは
 
第1章 おじさんたちよ、バレエを見よう

第2章 バレエはどこから来たのか
 
1 バレエ前史/ルネサンスから18世紀まで
 2 ロマンティック・バレエ/19世紀前半
 3 クラシック・バレエ/19世紀後半
 4 バレエ・リュス/20世紀前半
 5 20世紀のバレエ/バレエ・リュス以降

第3章 何をどう見たらいいのか
 
1 『白鳥の湖』
 2 『ジゼル』
 3 見る機会の多い全幕物バレエ

第4章 バレエの本質とは

第5章 現在から未来へ
 
1 世界のバレエ団
 2 現代の振付家たち
 3 日本のバレエ
 4 世界のバレエはいま

 知っていおいて損はないキーワード集

 ビデオ・ガイド

 ブック・ガイド

 あとがき

 バレエ史年表


短評(毎日新聞 2000/7/2)

  1990年代はダンスの時代と言われたが、熊川哲也が登場して以降、バレエ・ブームは加熱する一方である。いまや、バレエについて多少は知っていなければ恥ずかしい、という状況になってきているようだ。
 本書のテーマは、第一章の表題「おじさんたちよ、バレエを見よう」に集約されている。時代に乗り遅れまいとするおじさんたちへの、激励にも似たバレエ案内。
 まず、バレエは「女・子ども」のための芸術ではない、と著者は力説する。そのことを知るには、とにかくまず見にいくこと、それも一級品と言われているものを見に行くのが肝腎、と続ける。懇切丁寧な助言は感動的なほど。
 その後にバレエのおおよその歴史が続くが、肩の凝らない読み物になっている。頻繁に上演される『白鳥の湖』や『ジゼル』については詳細に説明し、また上演される機会の多いバレエについては勘所を紹介している。ビデオ・ガイドや年表など、付録も充実。
 バレエについての常識を網羅したじつに便利な一冊。(士)


 

短評(日経新聞 2000/6/4)

 バレエの入門書は数あるが、本書は初心者の男性読者向けに書かれた。なぜバレエが魅力的なのかに始まり、歴史や主な作品の鑑賞法を、短時間に理解できるよう解説しつつ、世の男性たちにバレエを見に行くよう説いている。
 「バレエを見に行けば、椅子にふんぞり返ったまま、抜群にスタイルのいい女の子たちのすらりと長い脚が見られる」と書いてしまうほど、高尚な芸術論を避けた軽い筆致だが、著者のバレエ研究の蓄積はきっちりと反映されている。
 


短評(朝日新聞 2000/6/11)

 踊る身体には、魂さえ揺さぶる魔力がある。とりわけ無限の表現力をもつバレエは。しかし悲しいかな、おじさんたちは、まだバレエの魅力を知らない。おじさんこそバレエを見に行こう!と、その歴史や何をどう見たらいいかなど懇切丁寧に解説。