A-a-1 ハムステッド

ハムステッドは、ロンドン北部の街で、たとえばピカデリーサーカスからだと地下鉄で20分くらいである。
 最近でこそロンドンの店もかなり日曜日に営業するようになったが、以前は日曜日というとどこに行っても店が閉まっていて、ショッピング目当ての観光客にとっては悩みの種であった。その当時、このハムステッドは日曜日でも店があいているということで有名だった。
 東京でいえば、自由が丘という感じの、小さな街である。
ロンドン中心部はテムズ河畔にあるから低地だが、ハムステッドは高台で、街全体が坂になっている。
ハムステッドのバーグハウスという古い屋敷。いまは郷土資料館のようなものになっている。
有名な児童文学作家エリナー・ファージョンが住んでいた家。ハムステッドの地下鉄駅から坂を少し下り、右の路地を入ったところにある。小さな家である。今は全然関係のない人が住んでいる。
ハムステッドはロンドンでも指折りの最高級住宅地である。東京で言えば田園調布。ここはブラックネル・ガーデンズという通りで、鈴木晶の一家は1994-95年、右から3番目の家に住んでいた。家全体を借りていたのではなく、そのうちの2階の半分を借りていたのである。2LDKであった。
 どうして貧乏大学教授が高級住宅地に住んでいたのかというと、娘の学校が近くにあったからである。
 そして最高級住宅地といっても、2LDKならば、当時は東京よりも安かったのである。
私の書斎。近くにアーゴスというカタログ販売店があって、机、椅子、電気スタンド、書棚など(全部、自分で組み立てる)、すべてそこで買ってきた。カタログ販売店というのは、店に入るとカタログがおいてあり、それをみて注文すると、奥の倉庫から品物が出てくるのである。
一軒の家に5世帯が住んでいた。昔は金持ちが一家(+使用人)で住んでいたのであろう。
 庭は共有スペースだった。
庭で娘の髪をカットする私。
ただの住宅のように見えるが(いや実際、住宅なのだが)、左端は、娘の通っていた小学校である。
その学校の前で。制服は、赤いトレーナーの上にグレーのブレザーだった。
ハムステッドからヒース(別ページ参照)を挟んで、北に、ハイゲイトという街がある。ハムステッドと同じく、高級住宅地である。そこには大きな墓地がある。
ハイゲイト墓地にある墓のなかでも、もっともユニークなのがこの墓。かのカール・マルクスの墓である。
 有名な絵本作家ケイト・グリーナウェイの住んでいた家。蛇の鱗のようなタイル張りの家である。
ハムステッドの地下鉄駅から坂をくだっていくと、フロイト記念館がある。ナチスから逃れて亡命してきたフロイトが生涯の最後の1年を過ごした家である。書斎は、フロイト先生の存命中とまったく同じ状態に保たれていて、興味深い。