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『グリム童話/メルヘンの深層』全文
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| 拙著『グリム童話/メルヘンの深層』(講談社現代新書)は1991年1月20日に出版されました。その後10年近くにわたって数多く版を重ね、10万部以上発行されましたが、2002年に品切れ(事実上の絶版)となったので、ここに全文を公開します。 なお、全文デジタル化に際しては早瀬邦子さんと兵藤敏江さんのご協力を得ました。この場を借りて謝意を表します。 |
| 目 次 はじめに――グリム童話の新しい面白さ 第一章 グリム童話とは何か 1――グリム童話とは何か メルヘンの代名詞……残酷な話……「メンドリの死」…… みんな死んでしまいました……世の中ってこんなもの…… コルベス氏は悪い人?……三回殺される白雪姫……ヤーコプとヴィルヘルム 2――グリム兄弟とは誰か 幸福な幼年時代……勉学と貧困と…… 「ゲッティンゲン大学七教授追放事件」と『ドイツ語辞典』…… 類まれな兄弟愛……二つのユートピア 3――童話集成立の背景 劣等感と民族意識……もう一つのグリム童話……『少年の魔法の角笛』…… 二つのメルヘンから……出版時の状況……最初の日本語訳 第二章 メルヘン学入門 1――メルヘンのかたち 日本語論批判……メルヘン研究の出発点……アールネの分類…… プロップの話型……魔法昔話の構造……三十一の機能……プロップの結論…… 昔話の起源……七人の登場人物……形態学の発展 2――メルヘンの意味 歴史資料としてのメルヘン……太陽神話としてのメルヘン……夢とメルヘン…… メルヘンと心理的問題……ヘンゼルとグレーテル…… フロイト派による「赤ずきん」の解釈……不思議な箇所…… ユング派による「赤ずきん」の解釈……「白雪姫」と三滴の血……狩人と七人の小人…… 殺害、そして眠り……新フロイト派による「赤ずきん」の解釈…… 「赤ずきん」の原型……赤いずきんはペローのアイデア…… 精神分析的解釈の欠点……イデオロギー分析の視点 第三章 グリム童話をめぐる神話 1――グリム兄弟は誰から話を聞いたのか ドイツの昔話とグリム童話……取材源をめぐる神話…… フィーマンおばさん……語り手のイメージ…… 架空の「マリーおばあさん」……話を提供した人びと……学問的価値と嘘…… フランス起源の話……グリム童話とナチス……レレケ論文の衝撃…… グリム愛好者たちの願い 2――グリム兄弟は手を加えなかったのか 兄弟自身による神話……話の長さ……「カエルの王様」における書き換え…… あくまでも文化遺産として 第四章 グリム童話の面白さ 1――性とエロティシズム 性的ほのめかしの扱われかた……「ラプンツェル」における書き換え…… 嫌われた妊娠……カエルが王子に戻る場面……「手なし娘」「千枚皮」の近親相姦…… 父親の影……裸体描写……鼻と尻尾……グラマーな白雪姫 2――暴力と残虐性 メルヘンらしい「星の銀貨」……グリム版「血肉の華」……人肉食の場面も…… 肉を食べ血を飲むことの意味……刑罰も残酷嗜好……ユダヤ人への偏見も…… エスカレートする描写……現代との違い 3――女は黙っていろ 女の子の大好きな話……しゃべる女は悪い……沈黙を強いられて…… 男の沈黙……思いをつらぬく「マレーン姫」…… 『アリーテ姫の冒険』登場……フェミニズムとメルヘン 4――厳しいしつけ 教科書としての「赤ずきん」……わがままな子どもには死刑を…… さまよう「恩知らずの息子」 5――『グリム童話集』のイデオロギー キリスト教……男女の役割分担……現代へのメッセージ……社会とメルヘン ブックガイド あとがき |