昨年初演されたものだが、たいへん評判がよく、すぐに再演ということにあいなった。私は昨年見逃し、先日、安達悦子さんから「絶対に絶対に見て」と言われていたので、出かけていったのだが、日本の創作バレエにはあまり期待していないので、正直なところ、今回も期待してはいなかった。
だが、うれしい予想はずれで、ひじょうによく出来ているので感心した。
近くにいた門さんが、群舞が単純すぎるとこぼしていた。たしかに群舞はじつに凡庸だが、それだけにうまくまとまっていた。ボヤルチコフみたいな醜いパを無理矢理考え出すよりもずっといいのではなかろうか。
欠点は他にもいろいろある。たとえば、マイムが多く、本格的なダンスが少ない。印象的なパ・ド・ドゥもない。それでも、退屈しないで見ていられるということは大したことである。
ダンサーの魅力をフルに引き出しているともいえない。もっと「肉体を見ている」という感覚に浸らせてもらいたかった。
安達さんはあいかわらず美しいが、衰えは隠せない。