壮大な公演。4時間半。世界バレエフェスより長い。
第1部
「ラ・シルフィード」第2幕よりパ・ド・ドゥ 望月あや子・窪田弘樹
「ジゼル」第2幕より 越智インターナショナルバレエ
「眠れる森の美女」プロローグより 塚本洋子バレエ団
「くるみ割り人形」第2幕より 佐々智恵子バレエ団
「白鳥の湖」第2幕より 松岡玲子バレエ団
第2部
「悪魔の物語」(ストラヴィンスキー「兵士の物語」より)
(これは22日に上演されたものと同じ)
第3部
「瀕死の白鳥」 越智久美子
「ダッタン人の踊り」 松本道子バレエ団
「レ・シルフィード」より 塚本洋子バレエ団
「月は静かに輝く」(「白鳥の湖」より) 平山素子
「SWANS」(島崎徹振付) 松岡玲子バレエ団
「シャブリエ・ダンス」より 上野水香、逸見智彦
このように、大半は名古屋のバレエ団の合同公演。これは画期的なことだ。しかも、それぞれが勝手なことをやる、ただの合同公演ではなく、バレエの歴史に沿った公演となっている。一晩でバレエの歴史を通観しようというのだkら、壮大な企画である。20世紀のバレエがごっそり抜けている(たとえばバランシンがひとつもない)が、これは仕方がない。20世紀バレエは著作権料がかかるからである。
東京の大バレエ団に比べて、レベルが格段に落ちるのは仕方がないことであろう。目を惹いたダンサーもいなかった。
4時間を過ぎたところから、疲労と空腹で目眩がしてきた。それは私だけではなかったようで、会場全体がどんよりとした空気に包まれていた。だって、島崎徹の「SWANS」なんて、高校生の創作ダンスみたいだ。
しかし、最後のシャブリエ・ダンスで会場全体がシャキッとした。上野水香が頭の上まで楽々と脚をあげるたびに、会場中がどよめきと溜息で満たされた。観客は、それまで延々とみてきたアマチュアのバレエと、世界のトップレベルにいるプロのバレリーナとのあまりの違いを、まざまざと感じたにちがいない。
これは、上野水香にとって、牧バレエ団員としての最後のダンスとなった(2週間前に正式に退団しているが、すでに契約済みだったので出演したわけである)。それを示すかのように、何度目かのカーテンコールで、彼女はレヴェランスではなく、両足を揃えて深々と頭を下げた。バレリーナがこんなに深くお辞儀をすることは珍しい。
打ち上げパーティで、遅れてきた水香ちゃんは、ごった返す会場の向こうから私を見つけると、手を振って飛んできた。彼女の話を聞いたが、いろいろ苦労があったらしく、途中から泣き出した。
数年前にパーティで会ったときと比べると、ずいぶん大人になったので驚いた。いろいろ苦労して成長したのであろう。今後の身の振り方についても話を聞いたが、彼女自身が近日中に発表するそうだから、ここでフライングをするのはやめておこう。新たな一歩がどのような形になるのか、今から楽しみである。
