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あいちダンス・フェスティバル/ダンス・クロニクル
(2月28日 愛知県芸術劇場大ホール)

 壮大な公演。4時間半。世界バレエフェスより長い。
 第1部
 「ラ・シルフィード」第2幕よりパ・ド・ドゥ 望月あや子・窪田弘樹
 「ジゼル」第2幕より 越智インターナショナルバレエ
 「眠れる森の美女」プロローグより 塚本洋子バレエ団
 「くるみ割り人形」第2幕より 佐々智恵子バレエ団
 「白鳥の湖」第2幕より 松岡玲子バレエ団
 第2部
 「悪魔の物語」(ストラヴィンスキー「兵士の物語」より)
 (これは22日に上演されたものと同じ)
 第3部
 「瀕死の白鳥」 越智久美子
 「ダッタン人の踊り」 松本道子バレエ団
 「レ・シルフィード」より 塚本洋子バレエ団
 「月は静かに輝く」(「白鳥の湖」より) 平山素子
 「SWANS」(島崎徹振付) 松岡玲子バレエ団
 「シャブリエ・ダンス」より 上野水香、逸見智彦
 
 このように、大半は名古屋のバレエ団の合同公演。これは画期的なことだ。しかも、それぞれが勝手なことをやる、ただの合同公演ではなく、バレエの歴史に沿った公演となっている。一晩でバレエの歴史を通観しようというのだkら、壮大な企画である。20世紀のバレエがごっそり抜けている(たとえばバランシンがひとつもない)が、これは仕方がない。20世紀バレエは著作権料がかかるからである。
 東京の大バレエ団に比べて、レベルが格段に落ちるのは仕方がないことであろう。目を惹いたダンサーもいなかった。
 4時間を過ぎたところから、疲労と空腹で目眩がしてきた。それは私だけではなかったようで、会場全体がどんよりとした空気に包まれていた。だって、島崎徹の「SWANS」なんて、高校生の創作ダンスみたいだ。
 しかし、最後のシャブリエ・ダンスで会場全体がシャキッとした。上野水香が頭の上まで楽々と脚をあげるたびに、会場中がどよめきと溜息で満たされた。観客は、それまで延々とみてきたアマチュアのバレエと、世界のトップレベルにいるプロのバレリーナとのあまりの違いを、まざまざと感じたにちがいない。
 これは、上野水香にとって、牧バレエ団員としての最後のダンスとなった(2週間前に正式に退団しているが、すでに契約済みだったので出演したわけである)。それを示すかのように、何度目かのカーテンコールで、彼女はレヴェランスではなく、両足を揃えて深々と頭を下げた。バレリーナがこんなに深くお辞儀をすることは珍しい。
 打ち上げパーティで、遅れてきた水香ちゃんは、ごった返す会場の向こうから私を見つけると、手を振って飛んできた。彼女の話を聞いたが、いろいろ苦労があったらしく、途中から泣き出した。
 数年前にパーティで会ったときと比べると、ずいぶん大人になったので驚いた。いろいろ苦労して成長したのであろう。今後の身の振り方についても話を聞いたが、彼女自身が近日中に発表するそうだから、ここでフライングをするのはやめておこう。新たな一歩がどのような形になるのか、今から楽しみである。

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