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日本バレエ協会「くるみ割り人形」
(2月6日 東京文化会館)

 「ワイノーネン初演版」である。どんなものだろうかと期待していた人は、「なんだ、いつも見ているくるみとそんなに違わないじゃん」と思っただろう。それもそのはず、現在あちこちで上演されている「くるみ」のほとんどは、ワイノーネン版を下敷きにしているのである。
 クララ(マーシャ)と金平糖を同じダンサーが踊る場合と別の場合があるが、イワノフの初演版も、ワイノーネン版も、別のダンサーが踊る。
 前奏曲が終わって幕があがると、しばし屋敷の外観が見え、雪がしんしんと降っている。トランペットの音とともに、屋敷の内部が見える。床にくるみ割り人形が落ちていて、ドロッセルマイヤーがそれを取り上げる。この版では、ドロッセルマイヤーがふつうよりも活躍し、おどろおどろしい、というか怪しい雰囲気はない。篠原聖一は立ち姿がすごくいいし(さすがかつてのダンスール・ノーブル)、マイムがうまい。
 パーティでは人形劇が演じられる。人形も3人出てくる。
 ネズミとおもちゃの兵隊の戦争の後、くるみ割り人形が王子に変身するが、このとき、マーシャも子役からおとなのバレリーナに変わる。ここが、現在の多くの版とちがうところで、金平糖の精が最後のグランパしか出てこない演出が多いが(たとえばピーター・ライト版)、この版では、雪の精たちが出てくる前に、パ・ド・ドゥが見られる。これはいい。
 雪の女王は出てこない。ましてや雪の王(王子?)などは出てこない。
 第二幕のキャラクター・ダンスはとくに特徴はない。
 グランパは、下村由理恵と法村圭緒。法村はバレエ界の玉三郎といわれているが(そう言っているのは私だけ?)、ソフトなマスクに抜群のテクニック。あえて難をいえば、背丈が少々足りない。それだけでなく胴長短足である。テクニックはいい。
 下村は例によって完璧だったが、新しい振付に慣れていないためか、少々硬く、一つひとつのパを丁寧に踊っていたようだ。

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