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小林紀子バレエ・シアター/ソリテイル・二羽の鳩
(10月19日 新国立劇場中劇場)

 「ソリテイル」は、前回同様、島添亮子が主役。しっかり踊り込んで、すっかり自分のものにしている。ただし、私はこの作品があまり好きでない。つまらないステップが多いし、ちょっと長すぎて、退屈する。マクミランの小品は、長大な全幕物に比べると、出来がよくない。
 「二羽の鳩」は、当初は下村由理恵の日に行く予定だったのだが、所属している学会との関係で、急遽、吉田都の日に観ることになった。ああ、できれば両方観たかった。
 下村がどんなだったか気になるところだが、吉田都は素晴らしかった。あまりの素晴らしさに、眼がうるうるしてしまった。
 吉田都の舞台は、ロンドンにいたときを含めて、ずいぶん観ているが、正直なところ、私個人にとっては、彼女の舞台は当たり外れがあり、悪いけど、ハズレのほうが多い。
 だが、きょうの吉田都はもう「素晴らしい」の一語に尽きる。彼女がこれほど輝いて見えたのは初めてではないかと思われるほど。はっきりとオーラが見える気がした。彼女のテクニックは完璧だが、それ以上何もないという舞台もこれまで多かった。でも、きょうはまるで違っていた。一つ一つの仕草がじつに優美なのだ。彼女は演技派ではないと思っていた。コッペリアをやっても、キトリをやっても、あまり笑えないのだ。でも、きょうは違っていた。本当に違っていた。

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