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エイコ&コマ/アリアドネの会
(8月31日 パークタワーホール)

 ぼんやり電車に乗っていたら、まちがえてスパイラル・ホールに行ってしまい、あわててタクシーに飛び乗ったが、5分ほど遅刻した。
 
 この夏、JADE2002 というダンスのフェスティバルが開かれていて(誰が主催者なのかよくわからない、じつに不透明な催しなのだが)、先日の「土方メモリアル」を含め、興味深い公演がいくつもあったが、いちばん楽しみにしていたのはこの公演である。エイコ&コマもアリアドネの会も長いこと海外で活躍していて、これまで日本では見ることができなかった。
 とくにエイコ&コマは、アメリカの雑誌にしばしば取り上げられ、絶讃されていたので、前から見たいと思っていた。
 「殻」というフィルム作品が上映された後、「雪」「夜の潮」が続けて上演された。暗い舞台にしんしんと雪が降り続けている。ぼろをまとった女が、超スローモーションで身をよじり、もだえ、それに背後から男が寄り添い、また消え、また現れては絡み合う。カウンターテナーの歌う「荒城の月」が流れる。
 暗くなった舞台がまた明るくなると(といっても薄暗いのだが)、舞台の両端に全裸の男と女がうずくまっている。全身を白く塗っている。ゆっくりゆっくりと女の尻がもちあがり、体がねじれ、アメーバのように少しずつ移動して、男に近づいていく。合体しそうになった瞬間、終わる。
 すばらしい舞台であった。たぶん「まがいものの舞踏だ」とか「こんなのは舞踏ではない」という人もいるだろう。でも、どれが「正統な」舞踏で、どれがどうでないのか、といったことに私はまったく関心がない。いいものはいいし、つまらんものはつまらんのだ。
 いっぽうのアリアドネの会は長年フランスで活動してきた。この団体は、むかし大森の稽古場に見に行ったことがある。中西夏之さんが来ていたのを覚えている。
 作品は「春の祭典」だったが、エイコ&コマと比べて、じつにつまらなかった。まるで西洋人が自分たちで勝手にイメージした舞踏をやっているような、「だれた」舞台だった。時間を無駄にしてしまったと思うほどである。あまりにつまらなさに、途中から腹が立ってきて、終わった後もしばし不愉快だった。

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