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佐々木美智子バレエ団「海賊」
(8月4日 八尾プリズムホール)

 この大阪のバレエ団の公演をみるのは、昨年に続いて二度目である。
 昨年、佐々木美智子さんから突然お誘いの電話を頂き、それで見に行ったのであるが、佐々木さんがどうして私に電話をくださったのか、わからない。誰かの推薦であろうか。
 「海賊」といってもダイジェスト版である(90分)。演出振付は篠原聖一。彼が以前、札幌で上演した版をふくらませたのだそうだが、私は札幌版を見ていない。
 篠原聖一は最近あちこちで引っ張りだこだ。あちこちで上演されているオーソドックスな版の振付をちょこっと変えて、自分の名前を冠する振付家が多い中で、彼はたんなる振付だけでなく、ちゃんと演出ができる数少ない振付家のひとりである。登場人物の一人ひとりの心理、しぐさの一つ一つについて、じっくり考え、自分なりの解釈をもって振付に当たる人である。
 だから、「海賊」もじつにうまくまとめてある。とくに洞窟の場を大幅に短くしてある。
 メドーラは下村由理恵、コンラッドは佐々木大。パ・ド・トロワ(いわゆる「海賊のパ・ド・ドゥ」)では、客席から手拍子が起こり(これが「大阪のノリ」なのだろうか)、下村も、佐々木も、アリの秋定信哉も、そのノリに乗って、楽しそうに踊っていた。当然、踊りはかなり粗くなるが、見ている方も、そんなことはどうでもええ、という感じになる。
 昨年「バヤデール」のニキヤを踊った二杉圭子が今年はギュリナーラを踊ったが、昨年よりもさらによくなっていた。ドイツのエッセン・バレエ団で踊っているダンサーである。
 若い男性ソリストふたりが素晴らしい踊りを見せたが、ごめんなさい、名前は忘れた。
 このバレエ団にとっては初の生オケである(指揮・渡邊一正)。客演の男性ダンサーも大勢出ている。たいへんな費用がかかっているはずである。
 公演を成功させるまでにはいろいろご苦労があったようで、打ち上げのとき、挨拶に立った佐々木さんは涙で声を詰まらせていた。そのあと、苦労話をきいて、私ももらい泣きしてしまった。
 まだ新興の小バレエ団だが、佐々木さんの人柄のおかげで、とてもレベルの高い、そして暖かいバレエ団である。

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