ダンスと映画

ライムライト Limelight


データ

製作・監督・脚本・音楽 チャールズ・チャップリン
撮影 カール・ストラス
美術 ユージン・ローリー
カルベロ チャールズ・チャップリン
テリー クレア・ブルーム
ネビル シドニー・チャップリン
カルベロの相棒 バスター・キートン
1952年 137分

ストーリー

 「ライムライトの光に照らし出されたスターも年とともに、やがては若い新人のために、ライムライトの下を去らねばならぬ。あるバレリーナと、ある道化役者の物語」という字幕で始まる。
 カルベロは、かつては大コメディアンだったが、芸が古くなり、人々から忘れられ、いまは酒浸りの毎日を送っている。ある日、彼は同じアパートに住む若い娘が自殺をはかったのを救い、自分の部屋に引き取る。彼女テリーはバレエ・ダンサーだが、姉が娼婦になって自分のレッスン代を払ってくれたことを知ってから、脚が麻痺してしまったのだ。転換ヒステリーである。カルベロは献身的にテリーを介抱し、再起させる。テリーはエンパイア劇場のプリマ・バレリーナになる。
 テリーは、恩人カルベロとの結婚を望むが、カルベロは、彼女がじつは若い作曲家を愛していることを知っている。
 心臓の悪いカルベロは最後の舞台をつとめた後、テリーの踊りを舞台袖で見ながら、息を引き取る。

劇中バレエ

 あの美しいテーマ曲はあまりに有名だが、チャップリン自身の作曲である。そのテーマ曲がバレエに使われる。第一幕では、瀕死のコロンビーヌ(バレリーナ)を道化たちが見守るなか、シルフィードたちが迎えに来て、コロンビーヌは息を引き取る。第二幕は『ジゼル』第二幕をアレンジしたもので、アルレッキーノ(アルルカン、ハーレクイン)が踊った後、墓から甦ったコロンビーヌが踊る。アルレッキーノをエグレフスキーが、コロンビーヌをヘイデンが踊っているのだが、素晴らしい。

アンドレ・エグレフスキー(1917-77)モスクワに生まれたが、西側に亡命し、エゴロワ、クシェシンスカヤらに師事した後、スクール・オブ・アメリカン・バレエで学び、16歳のときからバレエ・リュス・ド・モンテカルロで活躍。その後、映画撮影当時はニューヨーク・シティ・バレエで踊っていた。オリジナル・キャストをつとめた作品にはフォーキンの『愛の試練』、バランシンの『ウェスタン・シンフォニー』などがある。

メリッサ・ヘイデン(1923-?) カナダ生まれ。1950年から、1973年に引退するまで、ニューヨーク・シティ・バレエの看板バレリーナであった。オリジナル・キャストをつとめた作品には、バランシンの『アゴン』『スターズ・アンド・ストライプス』『真夏の夜の夢』などがある。

バレエ史 第一次世界大戦の頃の話のようであるが、バレエ史的視点からみると、バレエ・リュスが一世を風靡する前の、ミュージック・ホールでバレエが盛んに上演されていた時代を描いている。

メモ 劇中バレエとともに、見逃せないのが、バスター・キートンとチャップリンの共演である。見るたびに涙が出る。